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能登地震1か月…若き輪島塗職人”伝統の再建“への思い

2024.02.05


石川県輪島市。

○櫻井
「道路も割れてしまっていますね」

その先に見えてきたのは…

○櫻井
「朝市の一帯は
 コンクリートの建物を残して
 あたりが焼けてしまってるんですね」

大規模火災が起きた、輪島朝市です。

○櫻井
「朝市の手前一帯には
 立ち入り禁止のテープが
       張られていますね」

すすのにおいも残る場所に…

○櫻井
「お花が手向けられてますね。
  朝市の活気ある姿と
 あまりにも様子が変わっているので
          言葉がなかなかでないですね」

二次避難先の金沢市から
   荷物を取りに来ていたのは、
朝市通りで
  造り酒屋を営む日吉さん夫婦。

○日吉酒造店
 日吉 智さん(49)
「片付けはまだ全然手つかず状態」
○櫻井
「手つかずですか」
○日吉酒造店
 日吉 智さん(49)
「はい」

地震で、酒蔵もめちゃくちゃに。

○日吉酒造店
 日吉 智さん(49)
「(再開は)2~3年は
 無理なんじゃないかなと思います」
○櫻井
「そうですか」

○日吉酒造店
 妻・童子さん(45)
「本当言うと、こっちで
 家のそばにいたいんですよね。
 だから早く仮設住宅が建つといいなと」

そして、地震の影響は
     輪島の伝統工芸にも…。

○櫻井
「ここはまさに商店街ですか?」
○輪島塗職人
 桐本 滉平さん(31)
「本町商店街と言いまして
  生活するための
  すべてのものがそろっていて
 午前中だけはここに朝市の屋台が並びます」

生まれ育った町を
   案内してくれたのは、
   輪島塗職人の桐本滉平さん。

ここ朝市通りに、
住宅を兼ねた輪島塗の工房を
        構えていました。

○櫻井
「お店はどちらに?」
○輪島塗職人
 桐本 滉平さん(31)
「ここから100メートルくらい
  先にあって
  今もう跡形もなくなくなっていて
         がれきだけが残っている状況」
○櫻井
「焼けてしまって?」
○輪島塗職人
 桐本 滉平さん(31)
「そうですね」

自宅にあった
輪島塗の道具や販売予定の作品も
  すべて燃えてしまったといいます。

○輪島塗職人
 桐本 滉平さん(31)
「材料は買えばなんとかなるけど
 制作してきたものにかける時間が
 失われたような感覚は
       一番喪失感としては大きい」

今も職人仲間2人の
安否がわかっていないといいます。

現在、
染め織物職人の妻・萌寧さんと
トレーラーハウスで生活している桐本さん。

目指すのは、輪島塗の再建です。

○櫻井
「これからのためのものとなる
 仕事道具は今どうしてるんですか?」
○輪島塗職人
 桐本 滉平さん(31)
「福井県の知り合いが
 同じ職人の仲間なんですけど
 全国から
 道具の寄付を募ってくれていて
  職人たちに分配するという
      計画を今しています」

見せてくれたのは、
福井県に住む漆芸家仲間が
      提供してくれた道具。

○輪島塗職人
 桐本 滉平さん(31)
「『ひとまず桐本くんが
  できるだけ早く
  仕事を始められるように
  最低限のものは
    持って行っていい』と
       おっしゃられて」

道具を失った輪島塗職人のために
支援は広がり続けているといいます。

○輪島塗職人
 桐本 滉平さん(31)
「我々はものを作れるので、
 あとは材料があれば
 自分たちの知識はここにあるので
 もう一回知恵を絞って
          再建したいなと思ってます」

○染め織物職人
 妻・萌寧さん(27)
「手を動かすのみだと思うので
   本当に大丈夫、大丈夫です」

桐本さんを突き動かす思い―。

○櫻井
「もの作りそのものが
 別の場所でできたとしても
 ここでやることに思いがある?」
○輪島塗職人
 桐本 滉平さん(31)
「輪島のみなさんの
 心のよりどころは本町商店街にある。
「輪島朝市が
 このままなくなることが
    1番悲しいことなので
 必ずまたここで
 いろんな営みが復活することは誓いたい」

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