#215 トランプ氏暗殺未遂 ”単独攻撃者”か
事件の背景はまだはっきりしないのですが、
アメリカの大手メディアABCニュースは
容疑者について、
「過激派組織などとのつながりは
見つかっていない」
「ローンウルフによる襲撃の
可能性が高まっている」と報じています。
日本の警察庁では、このウルフという言葉に
称賛しているようなトーンが入る懸念から
犯罪者や攻撃者であることを示す
「オフェンダー」を使い、
「ローンオフェンダー」、単独の攻撃者と呼んでいます。
いま各国で危険性の認識が高まっている
ローンオフェンダーとは?
要人警護のスペシャリストに伺いました。
○櫻井
「ローンオフェンダーとはどういった特徴がある?』
○元警視庁/セキュリティーコンサルタント
松丸俊彦氏
「単独で自宅で行動していて、
思想や考え方が危険になっていくのが
外からは見えませんので
犯罪行為をしたり
近所の人トラブルを起こしたりしなければ
外部からは見えにくい人たちです。
普通に生活をしていれば警察も
彼らと接することなく把握することがない人たち。
今のところの情報では、
彼を事前にローンオフェンダーとして
把握するのは難しかったと思います」
○櫻井
「警護の現場でも
ローンオフェンダーへの対策というのは
頭を悩ませる1つの要因でしょうか?」
○元警視庁/セキュリティーコンサルタント
松丸俊彦氏
「ローンオフェンダーの警護の現場において
非常に重要な課題で、難しい問題といわれている。
事前把握が難しいから」
(藤井)
日本国内でも政治家が狙われるという
信じがたい事件が起きていますが、
把握が難しいということですね。
(櫻井)
2022年7月に応援演説中の
安倍元総理が銃撃され亡くなった事件や、
2023年4月、
岸田総理に対して爆発物が投げ込まれた事件。
これらはローンオフェンダーによる
犯行とみられます。
まもなく開幕するパリオリンピックに向けても
ヨーロッパの治安当局は
「追跡が困難なこのローンオフェンダーが
最大の脅威になりうる」と警告しています。
どう防げばいいか?
この点についてもうかがいました。
○櫻井
「対応難しい中で、どう連携をとりながら
防いでいけばいいのでしょう?」
○元警視庁/セキュリティーコンサルタント
松丸俊彦氏
「警察の中にはネット上の
情報収集している部署ある。
ネット上のパトロールなんですけど、
ネット上の犯罪につながるところ
爆破予告や人への批判や中傷など
そういうものをパトロールして
ローンオフェンダーと思われる人を
特定できる場合もあるが、
必ずしもこれですべてのローンオフェンダーを
把握するのは難しいといわれている」
○櫻井
「するとやはり
こうしたこと(実際の犯行)が起こる前に
食い止めることが重要?」
○元警視庁/セキュリティーコンサルタント
松丸俊彦氏
「はい。
現場で目撃情報があったことが
狙撃手なり警護員に情報共有されていれば
早めに狙撃して
容疑者の動きを止められたかもしれないし
すぐ近くにいる警護員が
演説の中止という判断もできたかもしれない。
現場で収集した情報が共有活用されなかった点は
大きな問題として検証されると思う」
松丸さんは、
「まずは事前に危険の兆候をつかむことが大事だが
それでも把握しきれないこともある。
だからこそ
当日、現場で警戒にあたるすべての人たちが
連携することで防げる脅威はあるはずだ」
とも指摘しています。