• プライチ

#179 中国発「処理水フェイク」の理由 は?

2023.09.04

中国では処理水放出について
不安をあおるような
フェイクニュースや
印象操作が続いています。

処理水を伝える中国の
      ネットニュース。
なぜか、死んだ亀の映像から
始まります。
処理水との関係は全く触れず、
怖い印象だけを残したまま、
     話が進んでいきます。

また、別のメディアは
東京のスーパーで刺し身などが
「売れ残っている」
日本人も海鮮を食べなくなった、
と報じています。

日本政府は「フェイク」の
横行に注意を呼びかけています。

中国のSNSでは、2011年に
原発から出た水を処理して飲み、
安全性をアピールした
    園田康博内閣府政務官が、
「がんで死亡した」という情報が
出回っていましたが、
北京にある日本大使館は
公式SNSで、
「まったくのデマです」
      と否定しました。
園田氏は、9月2日に
日本メディアの
   取材に答えたとしています。


こうした中国からの
「フェイク」に対抗しよう
という動きが、日本だけではなく
台湾でもあるんです。

こちらは、民間団体の
「台湾ファクト
    チェックセンター」が
出しているのですが
「日本は核汚染された黒い水を
 大量に海洋放出している」
というのは
「誤り」だと判定しています

実際に「大量の黒い水」が
海に流れ出ている画像が
台湾のネット上に
      出回ったんですが…
実はこれ、
2020年にメキシコで起きた
下水管破裂事故で、明らかに
「フェイク」だと
      検証しているんです。
台湾でもニセ情報は
   相次いで確認されていて、
多くは中国のSNSで
発信されているということです。

台湾の団体が処理水の偽情報に
関心を持つ理由を聞いたところ

台湾市民も処理水の話題に
頻繁にアクセスしているため、
我々は「正確な情報」を
    市民に伝える必要がある、
ということでした。
非常に関心が高いので、
市民が惑わされないように、
    ということなんですね

では、なぜ中国では
処理水へのデマが横行して
      いるんでしょうか?

欧米のメディアからは
「中国政府と国営メディアが
 結託して“ニセ情報活動”を
       繰り広げている」
という指摘もあります。
その理由としてブルームバーグは
「国内問題から国民の目を
     そらせる」という点を
挙げています。
いま、中国は
「不動産市場の悪化」や
「若者の失業率」の
      記録的な上昇など、
経済の失速という大きな
問題をかかえていますよね。
では、こうしたフェイク情報の
拡散はいつまで続くのか?

中国総局長の富田記者によると

「フェイクニュースの発信は
 まだしばらく続く可能性が
 高いのではないか」
       としています。
当局が不都合と判断すれば
即座に検閲・削除する中国で、
いまも多くのフェイクが
   残っているということは、
当局がこうしたフェイクを
「あえて見逃している」
       ということです。

日本政府は「ニセ情報の拡散は
被災地の人々の感情を
     大きく傷つけるもの」
        とした上で、
様々な言語を駆使しながら
正しい情報を発信していく
         としています。

 

こちらの記事もオススメ!