工房日誌

♯1 持ち運べる家 作れるか!? 2011/2/6 最終回

太一が憧れのマイホームを夢見て挑んだ“持ち運べる家"作り。
水でふくらむ懐かしいオモチャをヒントに、紙オムツに使われる吸水性ポリマーと、ゴム風船の倍の伸びを誇る熱可塑性(ねつかそせい)エラストマーで、縦横幅80cm、高さ70cmの家を組み立てた。
そして期待を胸に、家を3倍にするべくプールの中へ入れて1週間。
水を吸った家がドンドンふくらんで、人が住める大きさに…
のはずが、遠く及ばず、屋根が水面から飛び出した程度。
計算ではおよそ3.5畳分、縦横幅240cm、高さ210cmの大きさになるはずだったが…
何がいけなかったのか?
“持ち運べる家"作りに協力してくれたクラレの尾下さんのアドバイスを受け、水温を上げて20℃に保ち、水質を改善するため不純物を取り除くことで、変化が現れた。
平らだった表札は3Dのようにふくらみ、家のサイズも横幅・奥行きともに100cmを突破。
だが、33日目に事態は急変。
最も大きくふくらんでいた壁の一部が剥がれたのをきっかけに、他の部分が次々と剥がれ始め、原形を留めないほどに。
さらに、大きさにも変化がなく、ふくらむ様子も見られない。
この事態に駆けつけて下さった、クラレの尾下さんによると
尾下さん「プールの底にくっついている床から水が入って来にくい」
その結果、床より壁が早くふくらみ、接合部が剥がれてしまった。
家の形を戻しながら、さらにふくらまない原因を探る。
すると、家の表面に新たな大問題が見つかった。
尾下さん「ヌメヌメ感が無くなってゴムみたい」
1カ月以上水に浸けていたことで、徐々に吸水ポリマーが水中に流出。
家の表面は熱可塑性エラストマーだけになっていた。
水を吸う役目の吸水性ポリマーが流出してしまっては、家は水を吸わない。
つまりは、それ以上は大きくならないという事。
尾下さん「残念です。くやしいですね」
太一が挑んだ“持ち運べる家"。
最終結果は、観察日数42日、縦横幅が130cm、高さ110cm。
1.5倍ほど膨らんだところで崩壊し、くつろぐ家には程遠い結果に。
今回は残念な結果だったが、次は別の方法で“持ち運べる家"作りに再挑戦か!?

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