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西欧絵画の400年が一気にわかる!
絵画はもちろん、装飾品や工芸品など約300万点もの作品を収蔵するエルミタージュ美術館は、メトロポリタン美術館やルーヴル美術館などと並ぶ、世界で最も大きな美術館のひとつです。
そのコレクションの歴史は古く、今から約250年前に女帝エカテリーナ2世が収集をはじめ、ロシア帝国が威信をかけて集めた作品群からなります。それはまさにロシアという大国によって編纂された「美の百科事典」ともいえる、人類の遺産でもあります。
本展では、そのコレクションから各時代を代表する作家の秀作をご紹介します。
ティツィアーノに代表される盛期ルネサンスのヴェネツィア派絵画から、17世紀フランドル美術を代表するルーベンス、ヴァン・ダイクやオランダ絵画の巨匠レンブラント、そして19世紀ロマン派のドラクロワ、印象派のモネ、近代絵画の父セザンヌ、さらには20世紀のマティス、ピカソらによる作品まで…。本展を鑑賞することで400年にわたる西欧絵画の歴史を一挙にたどることができます。それはまた、幅広いコレクションをもつエルミタージュ美術館だからこそ、実現しうるものといえるでしょう。
西欧絵画史にきら星のごとく輝く巨匠たちの作品を通して、ヨーロッパ絵画の精髄をご堪能ください。
史上空前!ロシア国外では最大級のエルミタージュ美術館展
「私の20年以上にわたるキャリアの中で知る限り、エルミタージュが海外で開催した展覧会のうち、間違いなく質、量ともに最大規模のものです」
エルミタージュ美術館の中で最も権威のある西洋絵画部門のベテラン主任学芸員、エリザヴェータ・レンネ博士が、そう太鼓判を押す本展覧会。出展作品のすべてが絵画という、純粋な絵画展であるばかりか、89点のほとんどが、通常美術館の壁を飾っている「常設展示作品」、つまり美術館にとって最も貴重な作品です。しかも各作家の代表作も多数含まれ、その質の高さはお墨付きです。
エルミタージュ美術館の主任学芸員も驚嘆した、まさに「エルミタージュ美術館展の決定版」です。
マティス《赤い部屋(赤のハーモニー)》が待望の来日!
20世紀を代表する画家、アンリ・マティスの最高傑作のひとつ、《赤い部屋(赤のハーモニー)》が、東京、京都には約30年ぶり、名古屋には約20年ぶりに待望の来日を果たします。
ロシアの大コレクター、セルゲイ・シチューキンが旧蔵し、第2次世界大戦後エルミタージュへ移されたこの作品は、今では19世紀から20世紀の西洋絵画部門を代表する作品として数々のガイドブックやカタログを飾る、同館の「顔」ともいえる傑作です。
印象的な赤が見る者を魅了してやまない本作品ですが、マティスが最初に完成させたときには青で描かれ、作家自身の手によって赤に塗り替えられました。今も作品の下の縁の部分にその痕跡を見ることができます。
マティスの代表作を日本で、しかも間近で堪能する貴重な機会です。巨匠のこだわりの「赤」を是非その目でお確かめください。
アート・コレクター、エカテリーナ2世を虜にした炎
エルミタージュ美術館の礎を築いた女帝エカテリーナ2世。
本展の出展作品中、エカテリーナ2世の在位中(1762-1796)に収蔵された作品はおよそ25点ありますが、うち3点は彼女が画家から直接購入した作品です。
まずは当時ヨーロッパで流行していたフランス啓蒙思想を代表する哲学者、ヴォルテールを描いた《ヴォルテールの朝》と《植樹するヴォルテール》。ヴォルテールがスイスに滞在していた1754年、彼と同居していたジャン・ユベールがその日常を描いた連作のうちの2点です。啓蒙主義を信奉したエカテリーナ2世は、ヴォルテールを崇拝し、文通をしていました。
そして、イギリスの画家、ライト・オブ・ダービーの《外から見た鍛冶屋の光景》。ダービーはエカテリーナ2世と同時代を生きた画家で、主に産業革命を題材に夜景を描きました。彼は当時まだ画家としてほとんど知られておらず、本作品は、エカテリーナ2世のコレクターとしての眼力の高さを物語る作品といえます。彼女はこの作品を購入後、さらに夜景と花火、夜景と噴火を描いた2点のダービーの作品を購入しました。
雲の切れ間から月明かりが照らす夜、炎に浮かび上がる鍛冶職人の姿…。エカテリーナ2世を虜にした、ダービーの夜景と炎の魅力をご堪能ください。