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東京パラリンピックで金を目指す 水泳・木村敬一が海外武者修行で得た成果とは

2020.08.26 公開

8月26日(水)日本テレビ系で放送の「スッキリ」では、東京パラリンピック代表に内定しているパラ水泳・木村敬一選手の特集を放送。

2年前の海外武者修行の模様を紹介するとともに、安村直樹アナが、木村選手の泳ぎのテクニックや、来年の東京パラリンピックに向けた思いを取材した。

木村選手はパラリンピックにこれまで3大会連続で出場し、ロンドンで銀(100m平泳ぎ)、銅(100mバタフライ)、リオで銀(100mバタフライ、50m自由形)、銅(100m平泳ぎ、100m自由形)と多くのメダルを獲得。

さらに、昨年9月に行われた世界選手権では100mバタフライで金メダルとなり、東京パラリンピック代表内定を勝ち取った。得意種目はバタフライで、平泳ぎや自由形も泳ぐオールラウンダーだ。

2歳の時、先天性の疾患が原因で失明した木村選手。パラ水泳は障がいによって5つにクラスが分けられ、木村選手は視覚障がいのクラス。さらにその中で11、12、13と三段階あるうち、全盲のクラス・11に該当する。

■速く泳ぐための武器

全盲の選手にとって大事なのがコーチとの連携。ターンやゴール時にタッピングバーと呼ばれる棒でコーチが選手をタッチし、壁が近づいていることを知らせる。

そして、曲がってしまうと余分な距離を泳ぐことになりタイムロスになってしまうが、木村選手の泳ぎを見てみるとゴールへと一直線。木村選手が「最短距離をいく技」として語るのが「コースロープを頼りにして真っ直ぐ泳ぐ」ということだ。

例えば、若干右側へ寄った次の瞬間、右手の先をコースロープに。その後、進路を修正しまっすぐに泳ぐ。コースロープにうまく触れることでコースもわかり、かつロスもない泳ぎになっているのだ。

「(コースロープに)思い切りぶつかると遅くなってしまうので、どれだけロスなく衝撃を和らげながら行けるかが、視覚障がいの水泳のスキルの一つだと思います」と木村選手。「右手の中指と人差し指の第一関節あたりで当てるようにしている」という。

もう一つ、木村選手の武器は持ち前のキック力で勢いよく飛び込んでのロケットスタート。このスタートダッシュで前半から一気にライバルたちを引き離し、世界のスイマーたちを圧倒してきた。

「基本的に加速はしないので(スタートから)スピードが落ちていく一方なんですね。だから、最初の初速の瞬間がどれだけ速いかで、あとはどれだけ持続できるかが勝負になってくる」と語る。

■アメリカへ単身武者修行

この二つの武器を生かし多数のメダルも獲得してきた木村選手だが、「ロンドンからリオに向かっていく4年間は、本当に水泳漬けの毎日を過ごして、とことん追い込んで」きたものの、目標としていた金メダルに届かず、「あれだけやっても届かなかったと思うと、もうどうしたらいいんだろうというのが正直あった」と振り返る。

そこで2018年4月、日本を飛び出しアメリカ東海岸・ボルチモアへ単身武者修行に。木村選手がリオで敗れたライバルで金メダリスト スナイダー選手を育てた監督・ブライアンコーチの指導を仰いだ。

木村選手の課題についてブライアンコーチは「リオの100mバタフライでは彼が本命だったのですが、レース終盤で失速してしまったんです」と語る。

失速を防ぐために体力を強化すべく、パワータワーと呼ばれる器具( 腰につけられたロープの先がこの器具に繋がっており、泳ぐことで水の入ったバケツが引き上がる)でトレーニング。 バケツの水の重さが負荷となり、泳ぐことで心肺機能と筋力を高める。

さらに週に3日、トレーニングジムでの練習も。交互に高負荷の運動と低負荷の運動を行い短時間で心肺機能と筋力を同時に鍛えていった。

このトレーニングで課題のスタミナ強化を図り、より力強い泳ぎを身につけた木村選手。アメリカに渡ってわずか5ヶ月後に出場した2018年9月のジャパンパラ競技大会で、得意の100mバタフライで、課題だったレース後半で粘りを発揮し、自己ベストを0秒10更新する1分1秒35(アジア新記録)をマークした。

さらに2019年3月の春季記録会では、世界記録まであと5/100秒に迫る1分1秒17を記録するなど、渡米後5種目で自己ベストを更新している。

また、アメリカで「もちろん言葉も全然わからない。自分の思った通りにいかないことがほとんどという中で生きていくことで、自分にすごく自信がついたなと思うんです」とも語る木村選手。「人生というものをトータルで見た時に何か自分の人生が彩られて、競技にもいい影響を出してくれるんじゃないかなと」思うことができたそうだ。

■東京パラリンピックに向けた準備と目標

今年3月、新型コロナウイルスの影響で東京パラリンピックの開催は1年延期に。

そんな中でも「新しいことが他にも色々できる1年だと思うんです。1年増えて、やれること、今まで挑戦してこなかったものにも挑戦できる期間になったのかなと思っています」と現状を前向きに捉えている木村選手。外出自粛によりプールが使えなかった期間も自宅で可能な限りのトレーニングを積み、着々と来年に向けて準備を進めてきた。

最後に「東京パラリンピックでの目標を教えてください」と聞くと、まずは「やっぱり、金メダルを取りたいなと思っています」という答えが。

さらには「海外の選手たちって、日本、東京という街にすごく行きたがっているんですよね。すごく楽しみにしてくれていて。僕は選手であるわけですけど、同時に彼らを受け入れる、ホストする立場でもあると思っています。だから、彼らに日本よかった、東京楽しかった、パラリンピックよかったと思って帰ってもらいたいです」と教えてくれた。

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