#220 能登豪雨 地震に続く「複合災害」…対策は
○櫻井
1月の地震。
そして今回の豪雨と
“二度の災害”に見舞われた能登半島。
今回、被害が大きくなった理由の1つに、
地震の影響も指摘されています。
こちらは
珠洲市を流れる若山川ですが、
豪雨で氾濫。
家が今にも流されそうに
なっているのがわかります。
国土交通省は、地震の影響で
こうした川の堤防に
被害が出ているとして
注意を呼びかけていましたが、
実際に氾濫が起きた形で、
専門家は、
「不幸な条件が重なった複合災害」
と指摘します。
○防災システム研究所
山村武彦 所長
「大地震によって発生したことは、
地盤が緩んだ。
斜面崩壊が約2000か所
あると言われています。
そういったなかで大雨が降ると、
土砂が樹木と一緒に流れ出してくる。
河川も堤防に亀裂が入っていたり
堤防自身が沈下していたりして
氾濫しやすい状態になっていました。」
「私はこれまでに5回ほど
能登半島の被災地に行っていますが
住民の方々も
『山が緩んでいるから
大雨降ると怖いよね』と
おっしゃっていました。
それでも、これほどの大雨が
降るとは思っていなかったので
警戒の度合いが
違っていたのかなと思います」
○藤井
今回は仮設住宅でも
床上の浸水がありました。
なかなか当たらなかった仮設住宅で
場所を選ぶことができないなかで
こういう被害があった。
本当に心が折れてしまう方も
いらっしゃるかもしれないですね。
○櫻井
これからだ、という方も
少なくなかったと思います。
こうした
いつ起きてもおかしくない
「複合災害」について、
山村さんは
「1度目の災害が起きた後の
対応が重要だ」と指摘しています。
○櫻井
「地震の後の対策という点では
どういうことが考えられますか」
○防災システム研究所
山村武彦 所長
「大地震のあとは
豪雨災害のリスクが高まることを
住民に知らせる努力が非常に重要です。
住民がリスクを知らなければ
早期避難をすることができない。
大地震の後は、
洪水ハザードマップの
緊急更新を行うなどの措置が
必要になってきます。
ハザードマップで
自分の住んでいる場所のリスク
場合によっては
仮設住宅の場所のリスクも含めて
リスクをきちんと通知すること。
自治体には知らせる努力、
住民は知る努力が必要です」
○櫻井
23日に取材させていただいた
珠洲市に住む刀祢さんは、
「神や仏は珠洲にいないと思った、
それほど厳しい状況」
だと話していました。
また山村さんは
「住民の皆さんの心が
折れなければいいのですが」と、
心配していました。
支援の輪を広げて、
能登を支えていく必要があります。
いますぐにできる支援として、
「Yahoo!ネット募金」などの受付が
始まっているほか、
石川県も24日から
義援金の受付を始めます。
○藤井
能登半島地震は
元日の被災から10か月が
経とうとしていましたが、
道も少しよくなり、
仮設住宅も増えていました。
ただそのニュースを聞いて、
能登への関心や支援の思いが
減ってきているようにも感じていました。
能登は立ちあがろうとしている
最中で再び被災しました。
どんな形でもいいですから、
もう一度被災地に
思いを寄せていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。