#233 “誹謗中傷”リスク防ぐには? 新教材で「考える」
○櫻井
続いては、藤井キャスターにも
一緒に考えてほしいこちらです。
この書き込み、
「ネットで発信しても大丈夫」
でしょうか?
【サッカー日本代表の
試合を見ながら、
「シュート外しすぎだろ」】
と発信する
①家族へのメッセージ
②親友へのメッセージ
③仲が良い友だちへの
グループメッセージ
④誰でも見られる
匿名の掲示板
「大丈夫だろう」なら○
「悩む・条件付き」なら△
「マズいだろう」と思ったら×
でお答えください。
○藤井
まずサッカーって
そんなに点が入りませんからね。
「シュート外しすぎだろう」
っていうのは家族の中だけなら
いいですけれども
親友へのメッセージ以降は、
外にこのメッセージが流れたときに
誤解されるんじゃないかなという
懸念があるので
「家族」以外はバツですね。
○櫻井
「家族」と他では大きく分かれる。
ではこれが
【友だちが水着になっている写真を
顔がわからないようにして】
発信する、ならどうでしょうか?
実はこちら、
2月10日から公開された
「誹謗中傷」などの、
「リスクの見積もり方を考える」
という教材の一部、なんですが、
中学生たちは
どう考えたのでしょうか?
『2月4日
LINEみらい財団×常葉大学
“SNSの誹謗中傷リスク”
出張授業』
新宿区立西新宿中学校で行われた
「情報モラル」の特別授業。
さきほどの教材を使って、
生徒たちがそれぞれの考えを
話し合います。
○中学生
「『シュート外しすぎだろ』と
発信するのは、親友がサッカー好き
とかだったら、
僕は送るべきじゃないと思います」
○中学生
「水着とかの写真は匿名の掲示板は、
さすがに場所とか分かったら
怖いので、出さない方が
いいんじゃないかなと思います」
○中学生
「相手が仲良くても、
色んなところに公開して
しまうような人だったら、
そこは人を選んで送ろうと思います」
○藤井
ですから、確実な正解が
あるわけではないけれども、
こういうことを
しっかり考えることが
大切なんですかね。
○櫻井
色々な意見が出ていましたね。
教材では、他にも
【芸能人のSNSの写真に
「写真加工しすぎだろ」】
といった投稿をしても
大丈夫かどうか、などもあり…
「これといった正解」は
藤井さんの言ったように、
ありませんよね。
実は、そこが「大事なポイント」
だということで、
この教材の開発に携わった
常葉大学の酒井准教授に伺いました。
○櫻井
「全体を通して、あれはダメ、
これは安全というような形には
なっていないと思いますが?」
○常葉大学・酒井郷平准教授
「ネットのコミュニケーションの
正解は、なかなか
これだというものは絞れないので
まずはその中で考え続ける
必要性ですとか
そのなかで自分が考えた経験が
これからのSNSの使い方にも
生きてくるのかな
というふうに考えています」
○櫻井
「今回、一番のポイントとしては、
どのような所において作った?」
○常葉大学・酒井郷平准教授
「どうしてもネットは危険なもの、
怖いものという印象があると
思いますが、
その危険性をゼロにすることは
これから難しいと思っています」
○櫻井
「完全に切り離す、
遠ざけるのではなくて、
どのように付き合っていくかが
今後重要になっていく
ということですね?」
○常葉大学・酒井郷平准教授
「SNSを使わない、
スマートフォンを使わない
というのは難しいと思いますので、
それらと上手に付き合っていく
子どもたち、付き合っていける人
というのを育てていくことは
1つのポイントだと思っています」
「“誹謗中傷しない”ということは
かなり色々な人たちが
わかっていると思います。
その中で表現の仕方や、
自分の思い、
考え方の伝え方を
間違ってしまうと、
誹謗中傷になりうる」
○櫻井
「本人としては
『誹謗中傷のつもりはなかった』
『ほんのちょっとした
“いじり”のつもりだった』
というものが、
結果として受け手の
印象としては誹謗中傷で、
大きく傷つけることに
なってしまう、ということを
なるべく防いでいこう
ということですよね」
○常葉大学・酒井郷平准教授
「そうですね、そこはすごく
重要な視点かと思います」
酒井さんらが開発した教材は
「加害者」だけでなく
「被害者」そして、
「周囲の人」たちからの視点で
誹謗中傷などのリスクを考える
内容になっています。
○中学生
「(文章を)入力したら
一度見返すということは
やはりしていくべきかな。
口調とかしっかり見直した方が
より相手に良いふうに
受け取ってもらえるかなと思います」
○櫻井
酒井准教授は、
「子どもたちを通じて、
大人も学ぶことができる」。
誹謗中傷を考える
コミュニケーションの
きっかけにしてほしいと
おっしゃっていました。