国連も80年 "軍縮担当”中満事務次長に聞く
戦後80年となる2025年
私たちは
「いまを、戦前にさせない」をテーマに
様々な特集をお伝えしています。
27日私は、日本人女性で初めて
国連の軍縮部門のトップを務める
中満泉事務次長が来日したタイミングで
お話をうかがいました。
普段、アメリカ・ニューヨークの
国連本部で活動している中満事務次長。
核兵器や通常兵器、サイバーセキュリティーなど
幅広い分野での軍縮の議論に関わっています。
実は今、新たな脅威への対応に迫られています。
○国連
中満事務次長
「ことしの1つの目玉は
AIの軍事利用に関する
事務総長報告書を書いて
今年の総会に提出せよと。
自律型殺りく兵器、AIを搭載すると
これ、完全な自律化ですね。
要するに機械が人間の介入なしに
人間の命を奪う決定を下すかもしれない」
○櫻井
「恐ろしいですね…」
○国連
中満事務次長
「そういう兵器がもう
おそらくすぐそこまで来ていると」
こうした議論の中で国と国が直接、
話ができない場合に求められるのが、
「舞台裏での駆け引き」です。
○櫻井
「舞台裏というのは言える範囲で
どのようなことをされている?」
○国連
中満事務次長
「これは少し前ですけども、
第一次トランプ政権時代に
アメリカとロシアの間で
あることについて本来であれば、
合意をして、プロセスを進めて
いかなければいけないような
そういった局面があった。
ところが、直接対話はできないような
そういった状況でした。
ロシア側からですね、
こういったことを考えていると
いうことをアメリカ側に
伝えてほしいというふうに
私のところにロシアの幹部がきて
言われましたので、
『わかりました』と言って。
ワシントンにすぐ電話を入れて、
こういったことを言っている
けれども直接話すような
そういった意図はありますかと働きかけて
しょっちゅう、こういうことはあります」
国連も創設80年。
新たな戦争に向かわないために
国連は役割を果たせるのでしょうか。
○櫻井
「安全保障理事会の中で拒否権が
発動されることもあって
機能不全に陥っているのではないか、
という指摘もされることもあります。
その点どのように向き合っていこうと
考えていますか?」
○国連
中満事務次長
「機能しないような
そういった状況に陥っている、
これはその通りだと思います。
安保理の改革をしなければいけないというのは
これは紛れもない事実だと思います」
「新しいやはり世界の中での
パワーバランスというものを
きちっと反映させたような
国際機関にならなければ。
実は現在のそして未来のための
国際機関とはいえないのではないか
というふうに思っています」
”機能不全”を改善すべく、
2024年、「緊急の安保理改革が必要」と
踏み込んだ表現で合意した国連。
日本も、常任理事国入りを目指しています。
○櫻井
「日本の役割というのは
どのような役割が考えられる?」
○国連
中満事務次長
「日本のような国、
つまり安保理に入りたいと思っている国が
外交努力をして、
イニシアチブ、リーダーシップをとって
これをまとめていくようなプロセス、
これから外交努力をしていかないといけない
非常に重要な時期に来ていると考えています」
今回できなかったらおそらく
できないんだろうと思います」
○櫻井
「ある意味最初で最後とも言えるくらい
大きなチャンス?」
○国連
中満事務次長
「はい」