NNNドキュメント09「アラームに囲まれた命 〜NICU…医療と福祉のはざまで〜」(09/12/20放送)を制作した札幌テレビの遊佐真己子ディレクターが「2010年 黒田清JCJ新人賞」を受賞しました。
[番組概要]
取材のきっかけは、NICU【新生児集中治療室】のベッド不足だった…札幌でも自宅で生まれた新生児がたらい回しにされ、幼い命が失われた。「なぜベッドが不足するのか」それを検証する中で、3歳になってもNICUから出られない子どもに出会った。生後ずっと入院したままだ。一方、重症心身障害児が360人生活している旭川の北海道療育園。道内のNICUから「子どもを引き取って欲しい」という依頼が相次ぐが、それに答えられずにいる。ベッドが一杯な上、人工呼吸器が必要など、この十年で手のかかる子が急増したことから看護師不足に陥っていた。NICU満床の理由はベッドが足りないだけでなく「出口がない」現実だった。
[受賞理由]
この10年、医療の発達で超未熟児でも命が救われる。NICU(新生児集中治療室)のベッド不足は深刻だ。受け入れられず新生児が死亡。3歳になってもNICUから離れられない重度障害の子ども。「引き取って」との依頼が福祉施設に相次ぐ。そこもベッドは一杯、看護師は不足、人工呼吸器が足りない。複雑に絡み合う医療・福祉のヒズミを告発する。
*日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、1958年以来、年間の優れたジャーナリズム活動・作品を選定して「JCJ賞」を贈り、顕彰してきました。「黒田清JCJ新人賞」は2002年から併設された賞です。