12月17日 鈴江 奈々

先週末、「NEWS ZERO」で共演していたバイオリニスト宮本笑里さんのリサイタルに行ってきました。
笑里さんがママになって行う演奏会にお邪魔するのは初めての機会でした。
 
以前、育児をするようになって、奏でる音が太くなったとおっしゃっていたのですが、
音楽のスケールがパワーアップしていて、圧倒されました。
タンゴの情熱的な曲から母親となって作曲したオリジナル曲まで様々な楽曲を演奏。
豊かな感情が音から溢れてきていて、聴く側の心の扉を全開にしてくれるような演奏会でした。
 
気がつけば涙が止まらず、
自分の心の中の"懐かしさ"や"喜び"や"悲しみ"など"感情の世界"を旅している感覚になっていました。
一音一音丁寧に想いを込め、自由に奏でる笑里さんの音の世界は、
聴く側の心も自由にしてくれると教えてくださいました。
 
アナウンサーの仕事でも特に「音」にこだわる仕事が、ナレーションの仕事です。
入社13年目で初めてのナレーションレギュラー番組が、10月から始まりました。
BS日テレ「船越英一郎 京都の極み」日曜夜9時からの放送。
 
京都通の船越さんが、京都の歴史、文化、行きつけのお店などを案内します。
日曜日の夜、ゆったりとくつろぎながら楽しんで頂くためには、
ナレーターの私がゆったりとした気持ちで、その空気感を作ることが大切と感じています。
 
毎回、試行錯誤ですが、寒くなってきたこの頃は、
ナレーションブースにホットのお茶を持ち込み、手でぬくもりを感じながらホッとできる「音」を意識しています。
 
 

  
  
「ナレーションは音譜を自由に決められる」と、井田由美さんがその魅力を教えてくださいましたが、
ナレーションの仕事とじっくり向き合う中で、音楽との共通点を感じています。
原稿の言葉の「音」の高低、リズムなど、全て読み手に委ねられています。
原稿を手にしたとき、どんな音譜を描くのか...。
  
映像、音楽、そして船越さんが作り出す世界にマッチする「音の世界」を、
じっくり作っていきたいと思います。