ロンドンオリンピックが終わり、なんだか淋しいですね。
選手の活躍に感動する毎日でした。
20年ほど前、古代オリンピック開催の地、ギリシャに旅行しました。
最初に訪れたレストランで食べた『ムサカ』という料理が絶品で、
滞在中何度も注文するほどでした。
『ムサカ』は、「ひき肉」、「ナス」、「じゃがいも」などを重ねてオーブンで焼き上げた料理で、
お店によって材料、調理法、味が少しずつ異なります。
形状も、キャセロール詰めてスプーンですくうものから、ケーキのように切り分けたものと様々。
ひき肉や野菜を重ねた上に、ベシャメルソース(バターで小麦粉を色付かないように炒めたものを牛乳で溶きのばし、
塩・こしょうなどで味付けしたソース)をかけるものが多かったのですが、
その中に、面白いベシャメルソースがありました。
ゆでたじゃがいもと牛乳にちぎった食パンを入れてベシャメルソースに仕上げる簡易版。
「だま」になる失敗がない簡単なベシャメルソースは、溶けたチーズがのせられたムサカに
合っていました。
「子供の嫌いなナスを克服するレシピ教えて」
「彼が嫌いなトマトやナスを克服するレシピ教えて」
「じゃがいもを使ったレシピ教えて」というリクエストいただいた方に、
この簡易版ベシャメルソースを使った
『ナスとじゃがいものムサカ』をおすすめしたいと思います。
ナスは、大人も子供も"嫌いな野菜"として挙げる方が多いですね。
その原因は、「食感」「アクによるえぐ味や渋味」「皮が固い」ことでしょうか。
また、トマトが苦手な主な理由は「青臭さ」や「種や果肉の食感」と聞きます。
下ごしらえ、調理法にほんの少し気を遣うだけでも、ぐっと食べやすくなりますよ。
まずは、味の強いチーズと一緒に調理し、苦手野菜を感じにくくする料理で試してみてください。
ナスとじゃがいものムサカ
◆材料 (4人分)
ナス・・・・・・・・・・・・3本
玉ねぎ・・・・・・・・・・・小1個
じゃがいも・・・・・・・・・3個
牛乳・・・・・・・・・・・・1カップ
食パン(ミミを除く)・・・・30g
オリーブ油・・・・・・・・・大さじ1
合いびき肉・・・・・・・・・200g
●トマト缶(カット)・・・・1缶
●ナツメグ・・・・・・・・・少々
●ローリエ・・・・・・・・・1枚
●赤ワイン・・・・・・・・・大さじ1
塩・・・・・・・・・・・・・適宜
溶けるチーズ(スライス)・・3枚程度
◆作り方
1.ナスは5ミリ程度の輪切りにし、塩少々を振ってなじませて5分置き、
出てきた水分をキッチンペーパーでしっかりと吸い取る。
2.玉ねぎはみじん切りにする。
3.じゃがいもは皮をむいて、半分に切ってから5ミリ程度の薄切りにし、水からゆでる。
竹串がすっと通るくらいになったら、鍋蓋で押さえてゆで汁を捨てる。
4.3の鍋に牛乳とちぎった食パンを加えて混ぜながら煮る。
じゃがいもが少しだけ煮崩れ、食パンが溶けて全体がとろりとしたら火を止め、
塩小さじ1/4~1/3程度を入れて味をととのえる。
5.フライパンにオリーブ油を熱し、1を並べて焼く。両面に焼き色がついたら、一度皿に取り出す。
6.同じフライパンに合いびき肉と玉ねぎみじん切りを加え、炒める。
(肉から脂が出るので、油は入れず炒めます)
ひき肉の色が変わり、出てきた水分がとんだら、取り出しておいたナスを戻して
●を加えて煮込む。
7.フライパンを傾けてもトマトの水分が流れ出ない程度まで煮詰めたら、塩小さじ1/2弱程度を
入れ味をととのえる。(水分が残っているとべちゃっとした仕上がりになってしまいます)
8.耐熱皿に7を敷き、その上に4を詰める。上に溶けるチーズをのせ、トースターで焼き色が付くまで焼き、
4等分にして、皿に盛る。
★ナス嫌いさんのためのポイント★
【切り方を工夫する!】
お子様やお年を召した方は、特にナスの皮が口に残って食べにくいので、輪切り(太いナスの場合は、半分に切ってから、輪切り)にして一口に入る皮の量を少なくしてください。
小さいお子様は、飲み込みにくいものを嫌がるので、ピーラーで皮を縞にむいてから、輪切りにするか、
または小さく切るとより食べやすいです
【アクが強いので、下処理をしっかり行う!】
塩を振ってなじませ、出てきた水分をペーパーでしっかり吸い取ってから炒めることで、
えぐ味や渋味が感じにくくなります。
【油で炒める!】
油で炒めることにより、水分蒸発を防ぎ、うまみを閉じ込めます。
★トマト嫌いさんのためのポイント★
しっかりと煮詰める!
トマト缶は、じっくり煮込んで、煮詰めてください。
じっくり煮ることで、酸味がとび、うまみが強くなります。
食べず嫌いのお子様には、「今日のナスは特別だよ~」とか、
「○○ちゃんのために□□(お子様が好きなキャラクターなど)が持ってきてくれたナスだよ」
などと、ご両親が魔法をかけて食べるきっかけを作ってあげてください。
最初は一口でも構いません。ちょっとでも食べることができたら、褒めて、
気長に少しずつ味に慣れさせてあげてくださいね。
食べず嫌いの大人の方には、好きなワインやアルコールを用意する、
ランチョンマットやキャンドルなどで演出するなど、食卓を盛り上げることも
有効です。
食事の雰囲気は大いに影響するそうです。
嫌いな野菜が克服でき、楽しめるようになりますように!
頑張ってくださいね。