出場チーム

12月20日、リガ・デ・キト戦前日会見

12月20日、明日に決勝を控えたマンチェスター・ユナイテッドが最終調整を行いました。報道陣に公開されたのは冒頭の15分のみでしたが、選手の表情は実に明るく、カメラに向かってクリスチアーノ・ロナウドがリフティングを見せるシーンも!先に行われた会見には、ファーガソン監督と守護神ファンデルサールが出席しました。

  

ファーガソン監督
「コーチがパチューカ対リガ・デ・キトの試合を見たが、リガ・デ・キトはパワフルな素晴らしいチームだと言っていた。うちは、ほとんどの選手の調子が上向きで、特にケガをした選手はいないが、FWベルバトフは試合に出られないだろう。ベンチには入るが、スタメンは無理だと思う。何分かだったら可能かもしれない。」

Q.ガンバ大阪戦では、ルーニーとフレッチャーが入って良くなった?

ファーガソン監督
「2人のおかげで、非常にいい時間帯が作り出せた。ルーニーがいいパフォーマンスをしたのは疑いがない。メンバー変更の予定はない。フレッチャーの起用は、決勝の後のプレミアリーグの試合の事も考えて決めたい。とにかく明日の試合は勝ちたいと思っている。」

Q.来日5日で時差ぼけは解消した?逆にイングランドに戻ってからのストークシティ戦は心配ない?

ファーガソン監督
「エドウィンは大丈夫だよね?(と、隣のファンデルサールに向かって笑顔)みんな大丈夫だし、特に苦しんではいない。明日はもっとコンディションが良くなると思っている。自信があるよ。木曜日の試合(ガンバ大阪戦)は時差ぼけが影響したという声もあったが、試合をする価値はあった。最後の20分はさすがに疲れたようだが。イングランドに戻ってからも、しっかり準備できる時間があるので、ストークシティ戦でもいい試合をしたい。1999年(トヨタカップ)に来日した時は、日本にいたのが3日間だけにもかかわらず、帰ってからのエバートン戦で5−1で勝った。いつでも、やるべき仕事はやっていると思う。」

Q.リガ・デ・キト戦に向け、どんな準備を?

ファーガソン監督
「フィジカル面では、うちにとって大きな賭けになるだろう。南米はディフェンスがうまいチームが多い。この試合では、質の高さを示すことが必要。試合の中で、自分たちの時間帯を作る自信があるし、必ず勝たなければいけない試合だ。明日の試合は楽しみ。しっかり準備をしたい。」

Q.この大会で優勝することはクラブにとってどれくらい重要か?

ファーガソン監督
「世界チャンピオンになる事は名誉であり、非常に重要であることは来日会見でも言ったはず。何年か経って振り返った時に「我々は世界一なんだ」と思えるし、歴史にも名が残る。マンチェスターUは、すでにブランドとしては世界最大級の一つだと思う。だから、さらに大きくなるために必要なのかどうかは分からない。明日は、マンチェスターUの名に恥じない試合をしたい。」

Q.1999年の優勝経験者が3人(ギグス、スコールズ、ネビル)は、明日出場する?またリガ・デ・キトで注意する選手は?

ファーガソン監督
「彼らは1999年にもいい働きをした。ギグスはMVPになったしね。明日は、もう少しフレッシュな選手を入れるかもしれない。とはいえ、彼ら3人は重要な選手なので、まだスタメンかベンチかは決めていない。リガ・デ・キトには、いい選手が3人いると思う。マンソとビエレル、あとは素晴らしいフリーキックを決めた選手(FWボラーニョス)。うちも自分たちのプレーを見せなければと思っている。」

Q.クリスチアーノ・ロナウドはまだ昨シーズンのレベルに戻っていない?

ファーガソン監督
「私はC・ロナウドにはいつも高い期待を抱いている。彼が活躍して、ゲームを作ることを期待している。C・ロナウドは昨季も、シーズン後半にゴールが集中していたので、これから増えてくるだろう。プレーについても、問題はない。サッカーで影響を与えられる選手は数少ないが、C・ロナウドはそれが出来る1人だ。攻撃面での能力が高く、ボールを受け取ってからは強さとスピードを生かしてボールをキープし、攻撃に生かすことができる。ゴールは、シーズンが進むにつれて増えてくるだろう。つまり、シーズン後半には昨季と同じような活躍が期待できるという事。」

Q.パク・チソンの今後の成長についてどのような期待を?

ファーガソン監督
「チソンは私のお気に入りの1人。彼はまだゆっくりではあるが、成長していると思うし、チームに必要な選手だ。彼のスピリットや、スペースを埋める動きは素晴らしい。ゴールのチャンスを作ってくれるが、もっと自分でゴールを決めてくれればなおのこと素晴らしい。それが確実に出来るなら、明日は(メンバーに)入れたいと思う。」

Q.ヨーロッパ、特にイングランドではこの大会をあまり重要視していないが?

GK ファンデルサール
「クラブワールドカップはFIFA(国際サッカー連盟)主催の、本当に大きな大会だ。イングランドでの扱いは、もしかしたら小さいかもしれないが。ヨーロッパではまず何よりもプレミアリーグの試合結果が一番重要。しかし、南米など他の国では、大きな大会と扱われている。世界一というタイトルは、クラブにとってこれ以上の上はない最高位になるからだ。ヨーロッパでも、まずチャンピオンズリーグに勝たなければこの大会には参加できない。1995年にアヤックスでトヨタカップに出場し、勝つ事が出来て(PK戦4−3でブラジルのグレミオに勝利)素晴らしい気持ちを味わった。今は、クラブワールドカップという大会に変わったので、ぜひこの新しいトロフィーを持って帰りたいと思う。」

Q.今、体内時計はイングランド時間か、日本時間か?

GK ファンデルサール
「最初の2日間はきつかった。3、4時間で起きてしまい、寝る努力が必要だったが、昨夜は1時から5時まで寝れた。試合は19時半なので、9時間寝られれば十分。他の選手も体内時計の調整は出来ている。それに、日本に来る時より、イングランドに戻る方が楽だ。いいサッカーをするということは、集中力を高めるという事。眠かったり疲れていたりすると、集中力は切れる。特に重要なのは、何をするにしても、試合がある日は試合に全てを合わせる事。そうすれば90分間しっかりと意識を保ち、集中することができる。ガンバ大阪戦では、最後の20分間で4−1、5−1となったあげく、バカな失点をして5−3という結果になった。やはり、集中力が少し切れてしまったと思うので、明日はそうならないよう注意したい。昨日は、練習は少しだったので体を休ませる事が出来た。明日は選手みんなで最大限の力を出して勝ちたい。」

Q.リガ・デ・キトのイメージは?また、このタイトルをどれくらい望んでいるか?

GK ファンデルサール
「南米のチームとは、何度か戦った事がある。1995年のトヨタカップでは、アヤックスの一員としてグレミオと国立競技場で戦った。グレミオは非常にスキルが高く、決定力もあった。南米のチームにとってこの優勝トロフィーは大きな意味を持っているので、必ず勝ちたいと思っているはず。だが、うちにとっても非常に重要で、勝たなければいけないタイトルだと思っている。どちらにも素晴らしい選手が多いので、おもしろい試合になると思うし、多くの方に明日の決勝を見て欲しい。」

Q.C・ロナウドは23歳にしてバロンドール(世界年間最優秀選手)を獲得。ペレやマラドーナのような選手になる?

ファーガソン監督
「C・ロナウドはここ2、3年で大きく成長し、私の期待も高い。まだ若い頃に入団して、試合を経験しながら成長してきた。彼は昨シーズン、42ゴールを挙げた。ペレが(58年の)ワールドカップの準決勝でゴールを決めたのは17歳、マラドーナは17歳で代表デビュー、C・ロナウドも18歳でポルトガル代表としてデビューした。スターというのは、若い時からスター。C・ロナウドほど試合に影響を与えられる選手は多くはない。彼がマラドーナやペレのようになれるかというのは、長い間プレーをしてみなければ分からない。彼にとっては、ポルトガル代表として試合に出ることも重要だ。彼の得点力は素晴らしいし、ボールを奪うタイミング、空中戦の強さも他の選手にはない要素。これから、偉大な選手としてレジェンド(伝説)になるかはまだ分からないが、その可能性は高いと言っておこう。」