コスパ・タイパを重視する人気弁護士・小山瀬奈(川口春奈)のもとに、「婚約破棄トラブル」の弁護依頼が舞い込む。クライアントは光永有彩(森迫永依)という女性で、両親との顔合わせの最中に、婚約者の二瓶隆也(中尾明慶)が突然逃げ出したという。瀬奈は、思わず自身の8年前の失恋と重ね合わせてしまうが、慰謝料を請求したいと言うクライアントに寄り添い、依頼を受けることにする。しかし、有彩には何やら秘密がありそうだ…。
顔合わせが行なわれた結婚式場へと調査に出向いた瀬奈は、28歳の新人弁護士・真戸原優(松村北斗)と出会う。有彩と二瓶に「婚約の事実」があったのかどうかを巡って意見が食い違う2人は、式場の従業員へ聞き込みを行うと、どうやら婚約していたことは間違いなさそうだ。
瀬奈は、二瓶にプロポーズの予定があったことを知り、真戸原とともにある教会に潜入する。教会全体をライトアップするという手の込んだサプライズが用意されていることを知った真戸原は、二瓶は有彩を嫌いになったのではなく、何か<逃げ出さねばならない理由>があったのではと言う。しかし、8年前に恋人が突然いなくなった経験がある瀬奈は、<逃げ出さねばならない理由>なんてあり得ないと真戸原に反発する。
すると翌日、二瓶に過去の「逮捕歴」があることが分かる…。
ある人物の証言により、10年前、二瓶がひったくりで逮捕されたことがあると判明する。瀬奈は有彩に逮捕歴がバレることを恐れて逃げたのだと推測するが、真戸原は有彩への気持ちがまだ残っているから逃げたのだと考え、二人に和解を提案してほしいと瀬奈に依頼する。しかし、瀬奈はその提案を断り、二人は決裂したまま裁判当日を迎える。
裁判は、有彩と二瓶に「婚約の事実はあった」として、不当に婚約を破棄した二瓶が負ける流れ(=瀬奈と有彩が勝つ流れ)で進んでゆく。まさに裁判が終わろうとしたその時、二瓶側の弁護士である真戸原が突然尋問を要求する。真戸原は、二瓶の逮捕歴を法廷に明かした上で、「それがバレそうになっただけで逃げたとは思えない」「他に逃げた理由があるはずだ」と言う。そして、暗闇を怖れる有彩を、二瓶が毎晩バイト先まで迎えに来ていたことを掴んでいた真戸原は、10年前のひったくり事件の被害者は有彩であると二瓶に告白させる。
二瓶は交際がスタートした後に、有彩がひったくり事件の被害者だと気づいた。しかし、自身が加害者であることを言い出せなかった二瓶は、過去の罪を隠しながら、ひったくり被害により暗闇が苦手になった有彩を支えるため、毎晩バイト終わりの有彩の送り迎えをしていた。
また、バイトからの帰り道にある教会をライトアップし、そこで罪を告白してプロポーズする計画を立てていた。しかし、その数日前の顔合わせで、二瓶は自身の逮捕歴を知る従業員に遭遇してしまった。有彩と一緒にいたら、これからもずっと彼女に事件のトラウマを思い出させてしまうと考え、身を引くために泣く泣くその場から逃げたのだった。
真戸原に真相を明らかにされ、二瓶は婚約の事実を認める。しかし、最後まで心の内を明かすことはなく、泣きながら「有彩のことは好きではなかった」「結婚が嫌になったから逃げた」と言って有彩を守ろうとするのだった。
閉廷後。瀬奈は有彩に、二瓶が事件の加害者だと気づいていたのではないかと言う。そして、それを認めた有彩に、「二瓶は身を引くために逃げたと気づいていたのではないか?」「ではなぜ訴えたのか?」と問うと、有彩は「二瓶は罪滅ぼしのために自分と付き合っていただけで、好きじゃないから逃げたのだ」とずっと抱えていた思いを告白する。それを聞いた瀬奈は、今でも二瓶のことが好きなら信じてみてほしい、今ならまだやり直せると有彩の背中を押す。その結果、有彩と二瓶は復縁し、瀬奈と真戸原は安堵する。
数日後、瀬奈は真戸原に誘われて食事に行く。先日の裁判や仕事の話で盛り上がる二人。その帰り道、突然踏切の音が聞こえて足が止まる瀬奈。瀬奈は8年前恋人にフラれた時のトラウマで踏切の音が苦手になっていた。頭が真っ白になる瀬奈だったが、真戸原が咄嗟に瀬奈の耳を塞ぐ。突然の出来事に言葉が出ない瀬奈…と、二人のもとに雪が降り始める。真戸原は空を見上げながら、雪の降り始めが好きだと呟く。するとそこに、瀬奈の元恋人・宇井修也(田中圭)が現れる…。