そんな中、拓と楓は高校の名門フェンシング部の顧問を務める
翌日、拓と楓、
事務所に戻った拓は、事故当時のフェンシング部の練習が映り込んだ映像をチェック。練習は遠目にもかなり厳しい様子が窺い知れるが、高松が藤里を突いた瞬間、映像にノイズが走り事故の瞬間がよく見えない。聡子によると、高松は期待を寄せる部員に入れ込みすぎるせいで周りの選手が不満を感じることもあったという。
そんな中、かつて楓が所属していた大手弁護士事務所での悪質なセクハラが表沙汰になり、被害を受けていた楓の元にも週刊誌からの取材以来が殺到する。楓は事件がぶり返され世間に晒されることで、当時の辛い記憶がフラッシュバックすることに悩んでいた……。
そして迎えた高松の弁護側証人尋問の日。証言台に立った田代は予定に反して、突然法廷で高松の体罰を告発する!さらに、藤里が高松から体罰を受けている映像を再生し、法廷は大混乱!生徒によるセンセーショナルな告発劇のせいで高松は世間からバッシングの標的になり弁護側も大ピンチに!別府は事務所の名誉と高松の今後のためにも、法廷で無駄に争わないよう拓をけん制する。実は別府が冤罪にこだわる拓を快く思っていないのには、刑事事件の弁護士だった別府の兄がある殺人事件の裁判で負け、心労の末になくなった過去があるからなのだが……。誹謗中傷により高松が追い詰められていく中、再び高校を訪ねた拓は以前田代と話していた生徒・森吉が科学部の部室に入る姿を見る。
事務所に戻った拓たちは、聡子が編集し直した事故時の映像を見る。体育館の壁に立て掛けられたパイプ椅子を見た拓は、
翌日、拓が楓と秋保と共に訪ねたのは高校の科学部部員の森吉の元。「倫理を失えば、科学は容易に他人を傷つける凶器へと成り替わる」という秋保の言葉を聞いた森吉は静かにうなだれる……。
弁護側証人尋問の日。証言台に立った秋保は無線で送電を行うことができる『テスラコイル』という装置について説明する。体育館の床下に設置されたテスラコイルから、細工されたフェンシングの道具に電気が送られ、高松の剣が藤里を突いた瞬間に心停止を引き起こすのに十分な電流が流れたと主張する。事故の瞬間の映像にノイズが入っていたのは電磁波の影響だったのだ。続いて証言台に立った森吉は、自分が装置を作ったことを認める。いじめを受けていた森吉は、田代たちから装置を作るように命令され、断ろうとしたところをなんと藤里本人から頼まれたのだと話す。
そして、検察側の証人として証言台に立った藤里は意外な事実を告白する……。実力があるために監督から目をかけられていた藤里は部内で孤立。オリンピックも夢ではないという高松と親の期待を重く感じていたものの、部活を辞めることも許されず死ぬしかなかったと話す。藤里は高松からフェンシングを奪うために田代たちと共謀し、高松の突きで自分が死ぬ計画を立てたのだという。法廷で自暴自棄になる藤里に、拓は苦しくても犯した罪は償わなければいけないと話し、生きて償って立ち直って欲しいと言葉をかける。
数日後、高松に無罪判決が下る。拓に逆転勝訴を許した検察の
劇的な逆転劇に事務所に報道陣が詰め掛ける中、楓は第三者の自分が無理やり知ることではないと『東央大学生殺人事件』のファイルを拓に返すことに。しかし拓は、秋保が楓も知っていいと言ったなら問題ないとファイルを受け取らない。その中には『受刑者 獄中で自殺』『被害者の秋保彩花さん』という記事が……。