STORYストーリー

92019.03.16

再審請求が棄却され、過去の事件を再検証することの難しさを前に塞ぎ込むたく(坂口健太郎)かえで(川口春奈)湯布院ゆふいん(志賀廣太郎)は、11年前に秋保あきう(藤木直人)の妹を殺したとされ獄中で自殺した幼馴染・浅間あさま大輔だいすけ(鈴之助)の冤罪を晴らすために拓が今でも『死後再審しごさいしん』を考えていることを知る。
そんな中、聡子さとこ(市川実日子)が都内で起きた女子美術大学生の殺人事件について気になる情報を持ってくる。被害者の首元の刺し傷が11年前の事件と同じ独特な“勾玉まがたま”のような形をしているというのだ。被害者の花巻京香が以前からストーカー被害を訴えていたことから、警察は近くの工場に勤める富士田ふじた順平じゅんぺい(坂本真)を逮捕。拓と楓は早速富士田の接見へ向かう。富士田は盗撮をしていたことは認めるものの殺害は否認。職場に捨てられていた京香きょうかの血のついた証拠品についても覚えがないと話す。拓は富士田と11年前の事件の関連を疑いつつも、調べてみないと分からないと話し、富士田の弁護を決意する。



拓と楓、穂香ほのか(趣里)は富士田が事件前にSNSに夕日の写真を上げていた河川敷へ。そこは遺体が遺棄されていた高架下のすぐそばだったため、検察は富士田が犯行場所の下見に訪れたと断定しているが、拓は犯人がわざわざ怪しまれる内容をSNSに上げることに違和感を覚える。拓は11年前の事件でも、廃墟マニアだった浅間が事件前に殺害現場の廃墟に行っていたことが犯行の下見と断定されたことが引っかかっていた。
一人で考えたいという拓を残して事務所に戻った楓と穂香を待っていたのは息子の職場を見に来たという拓の母・れい(榊原郁恵)。楓はおしゃべりな麗の応対に疲れ果てた別府べっぷ(杉本哲太)達から相手を押し付けられる。麗は、11年前の事件までは検事を目指していた拓のことを実は誰よりも心配しているのは父親のしん(草刈正雄)なのだと話す。楓は麗から、拓が苦しんでいる時には支えてほしいと頼まれる。



その頃、真に呼び出された秋保は、水面下で設立が進んでいる検察庁直轄の科学捜査機関に主要メンバーとして参加してほしいと依頼されていた。拓の冤罪弁護に力を貸してきた秋保だが、冤罪を訴えながら命を絶った幼馴染に無念を抱く拓と、被害者遺族として捜査に不信感を抱く秋保とでは同じ思いを抱いているわけではないだろうと真に問われ、秋保の心は揺れる……。
その夜、「浅間の無実を信じたい」という気持ちと「無実かどうかは調べてみないと分からない」という相反した思いに苦しむ拓を見た楓は、今までもそうやって弁護して来たのだからそれでいいと励ます。富士田が冤罪なら真犯人は別にいて、その人物が11年前の事件の真犯人なら浅間の冤罪も晴らせるかもしれないという楓の言葉に胸を打たれる拓。しかしその時、茨城県の山中で新たな遺体が発見され、凶器の形状と首の傷が似ていることから富士田が再逮捕されたという連絡が入る……!!遺体の状態から、被害者の家出少女・山代やましろ奈々ななは京香より前に殺されていたと見られる。殺害されたと推定される時期に富士田が茨城に帰省していたこともあり、検察は殺害を否認している富士田を追起訴。拓は、富士田と被害者に接点がなかったことを証明する手がかりを探すため、楓と石和いさわ(赤楚衛二)と共に遺体が遺棄された山へ向かう。「接点がないこと」の証明方法に頭を抱える中、近くでレモンが栽培されていることに気づいた楓は目撃情報を求めてレモン畑へ。寒い山の中でもレモンが育つことを不思議に思う拓は、この辺りは夜でもあまり寒くないと聞き、何かを閃く!
翌早朝、秋保と聡子の協力を得た拓は温度計をつけたバルーンを飛ばし、山の高度ごとの気温を測る。すると、高度の高い山の中腹の方が高度の低い麓より気温が高いという予想外の結果が出る。秋保はこれを「斜面温暖帯しゃめんおんだんたい」という自然現象だと説明。晴れた日の夜、山の斜面から降りてくる空気と地面からの放射冷却で地上に冷たい空気の層ができるが、その層はある程度の高度で止まるため、結果的に地上よりも山の中腹の方が気温が高くなるという。しかし平均的には標高が上がると気温も低くなるので、司法解剖の際には慣例的に山の麓の気温を基に標高に応じて低くなる山中の気温を想定し、死亡推定日を割り出していたことが考えられる。実際の遺体遺棄現場の気温で死亡推定日を割り出した場合、1週間のズレは予想されることから、被害者は富士田が逮捕された後、別の誰かによって殺された可能性が出てきたのだ。
警察側が出した死亡推定日よりも後に生きていた被害者の目撃情報を探し出せれば富士田の無罪を主張できるかもしれないと希望を感じる拓だが、なぜかそっけない秋保の態度が気にかかる。秋保は、弁護士や今の自分の立場では捜査機関が入手する証拠品や一次情報を手にすることができないため真実を追うには限界があると話し、国家機関である検察の元で精度の高い検証を行う専門機関のメンバーになる意思があることを話す。11年前の事件の冤罪の真相に近づいている今、秋保が検察に協力しようとしていることにショックを受ける拓だが、被害者遺族として苦しみ続けた秋保は拓に「お前は死体の冷たさを知らない」と告げ、終わったはずの11年前の事件の真相を追うよりも浅間が犯人だと思った方が苦しまずに済むのだと話す。
そして裁判の日。弁護側の証人として証言台に立ったのは被害者の奈々と同じ家出少女の亜里沙ありさ(木﨑ゆりあ)。死亡推定日より後に奈々に会ったと証言する亜里沙だが、検察の指宿いぶすき(小市慢太郎)は亜里沙に援助交際などによる複数の補導歴があることを引き合いに出し、証言の信憑性を疑う。さらに拓が11年前の事件と今回の事件を勝手に結びつけ、過去の事件の真相解明に主眼を置いていると糾弾し、拓たち弁護側はマスコミの標的になってしまう。
その夜、秋保の言葉に落ち込む拓を励まそうと酒に付き合う楓は、一人になりたいという拓を残しその場を去る。しかし、そこに聡子から真犯人に繋がるかもしれない情報を見つけたと連絡が入る!!電話が繋がらない拓に伝えるため急いで戻った楓は、拓の背後にフードを被った男がナイフを手に迫っているのを見る!!慌てて駆け寄る楓だが、男のナイフが拓を突き飛ばした楓の腹部に突き刺さる……!!



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