第92回アカデミー賞でアジア史上初のアカデミー作品賞を受賞した韓国の映画監督

【特別授業】 ポン・ジュノ 先生

◆監督オススメの日本映画ベスト3～家族がテーマの作品～

①黒沢清監督　『トウキョウソナタ』
カンヌでも絶賛されていた映画。どの俳優さんも素晴らしく、日本の若者に是非みてほしい一本です。

②是枝裕和監督　『歩いても 歩いても』
説明する必要もないほど、圧倒的な傑作です。

③阪本順治監督　『顔』
家族映画ではありませんが、家族から孤立していく、ある女性の寂しい旅路を描いた作品です。
 

◆監督が好きな日本の俳優

○樹木希林さん
尊敬する方。おととし亡くなられてしまってとても残念。

○香川照之さん
常にインスピレーションを与えてくれる芸術家。

○安藤サクラさん
映画『万引き家族』では、驚異的な演技力と破壊力を持った女優さん。
 

◆俳優は目が命！

監督が俳優さんを見るときに重要視しているのは「目」です。日本の俳優だと吉沢亮さんで、あの眼差しを見ていると引きこまれてしまうとのこと。また、監督の映画『母なる証明』に出演したキム・ヘジャさんも、大きな目だけで数百もの感情を見事に表現していました。

 

◆徹夜や休日出勤を禁止！週の労働が52時間というルールを守って作品を作っている！

監督が映画を作る上で譲れないポイントは働き方改革です。「夜中寝ないで働くのがカッコイイ」という時代はもう終わり！労働時間のルールを守って、誰でも働きやすい環境を整えたのです。


 

◆『パラサイト』が完成した時、最初に思ったことは「赤字にならないか心配」だった

この映画はストーリーが非常に独特で、世界で興行的にヒットするとは想像しておらず、監督はせめて制作費を回収できればいいと思っていました。でも、監督にとって本当に悔いのない作品が出来上がりました。これ以上直すところがない、もう変えるところがないという手応えもありました。これは映画を作ってきた20年間の中で初めての経験だったそうです。