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ポール・ゴーギャン《ブルターニュの踊る少女たち、ポン・タヴェン》

ポール・ゴーギャン 《ブルターニュの踊る少女たち、ポン=タヴェン》
1888年 油彩・カンヴァス

National Gallery of Art, Washington
Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon

南太平洋のタヒチに渡り、原始的なエネルギーと神秘性を帯びた作品を描いたことで知られるポール・ゴーギャンですが、彼はそれ以前に、他の画家たちとフランス北西部、ブルターニュ地方のポン=タヴェンに住み、「クロワゾニスム」という新しい絵画表現を生み出したことでも特筆されます。「クロワゾニスム」とは、輪郭線で強調した対象の形態を平坦に塗りつぶし、対比的な色面で大胆に画面を構成する表現をいい、ゴーギャンはこれにより形態と色彩、現実と非現実など相反する要素の「総合」が可能になると考えました。ブルターニュ地方は、古くから固有の言語、文化を持ち、フランス中央部の人々にとって自国にありながらエキゾチシズムをかきたてられる町でした。独特の民族衣装で踊る少女たちを描いた本作では、画面の半分以上を占める黄色の面と、黒っぽい衣装、白いカラー、赤い花の明快な対比が軽快な印象を生んでいます。

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