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Vol.4 いざ、ボストン美術館へ!

2016/01/12

いよいよ今日から、アメリカ屈指のミュージアム、ボストン美術館を紹介します。ボストン美術館は、フェンウエイ地区のハンティントン大通りに面して建っています。開館したのは、アメリカ独立100周年にあたる1876年7月4日。所蔵品はゼロからのスタートでしたが、裕福でインテリなボストニアンの寄贈により、コレクションはみるみるうちに膨らみました。

ボストン美術館、正面入り口。両手を大きく広げたインディアンの騎馬像が目印です

現在、館のコレクションは、ゴーギャンの大作《われわれはどこから来たのか? われわれは何者なのか? われわれはどこへいくのか?》をはじめとする西洋美術のほか、古代エジプトやアジア・オセアニア・アフリカ美術、はたまた食器や楽器の類まで約45万点。年間100万人以上の人々が、世界中から美術館を訪れます。

正面玄関を入ると、受付の後ろに広がるのは大階段のある円形広間(ロタンダ)。
天井画を描いたのはボストンに愛されたアメリカ人画家、ジョン・シンガー・サージェント

膨大なコレクションの中で、ボストニアンの先見の明が光るのは、やはりフランス近代美術と日本美術でしょう。たとえばボストン美術館は、《種をまく人》など本国フランスにも劣らない世界的なミレー・コレクションが知られています。これらは19世紀半ば、フランスに留学したボストンの画家たちが実際にミレーと親交し故郷に紹介したことから、熱心に収集されました。

吹き抜けスペースのカフェ「ニューアメリカンカフェ」は、ガラス彫刻家チフーリのライムグリーンのタワーが印象的。
ボストン美術館のカフェの中でも、ここが一番あらたまった食事ができるそう

またアメリカは世界に先駆けて印象派を評価した国ですが、なかでもボストンにはマニアともいうべき熱狂的なモネ・ファンがおり、19世紀後半には、モネを中心に大量の印象派作品がボストンに流入しました。世界的なジャポニスム・ブームで日本美術を収集していたボストニアンも、浮世絵と印象派との親和性から印象派の作品をよく購入したということです。ちなみに1911年、アメリカで初のモネ展を開催したのもボストン美術館です。

ボストン美術館の印象派展示室。ドガの《14歳の小さな踊り子》ごしに、モネの《ラ・ジャポネーズ》を観る

<プラスワン情報>
ボストン美術館は、入場券の発行日から10日以内なら再入場可能。もし何日かボストンに逗留することがあれば、半券は捨てずにとっておきましょう。

木谷節子 プロフィール

アートライター。現在「婦人公論」「SODA」「Bunkamura magazine」などでアート情報を執筆。
アートムックの執筆のほか、最近では美術講座の講師もつとめる。

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