コラム COLUMN
ズドラーストヴィチェ(こんにちは)!
アートライターの木谷節子です。
皆さんはロシアに行ったことがありますか? 私は2度あります。
1度目は今から6年前の2005年にロシアの首都・モスクワへ、2度目は今年2011年、ロシア第2の都市・サンクトペテルブルクへ。後者は、本展「大エルミタージュ美術館展」のための取材です。前回のワシントン・ナショナル・ギャラリー展に引き続き、皆様に「エルミタージュ美術館のあるサンクトペテルブルクのあれこれをお伝えせよ」とのミッションを胸に、9月の下旬に1週間ほど行ってきました。
日本テレビのAさんによると、「お隣の国、といいながらとても遠~いイメージのあるロシアを身近に感じてもらえるような内容でお願いします」とのこと。そんな力量が私にあるかどうかは知りませんが、このコーナーでは、私が見てきたロシア・サンクトペテルブルクを、これからご案内いたします。
さて、まずは恒例「サンクトペテルブルクってどこ?」という素朴なギモンを解決しましょう。が、その前に、皆さんは、ロシアの首都・モスクワが日本とどのぐらい離れているかご存じですか?
実は、以前、モスクワに行くことになった時、ワタクシ「ロシアは中国の上の方の国だから、モスクワだって5~6時間飛行機に乗れば着くんでしょ?」なんて軽く考えていたことがありました。が、実際に地図で確認すると……、私がイメージしていた「中国の上」の都市とは、イルクーツクとかウラン・ウデとかシベリア鉄道の通過点。
実はモスクワという都市はもっとずーっと西の方にあって、飛行機に乗ればフライト時間は直行便でも約10時間半。
ちなみに成田・パリ間は約12時間半ですから、ロシア(モスクワ)に行くのは、ヨーロッパに行くのとそう変わらないんですね。(そういえば、前回のワシントン・ナショナル・ギャラリー展の取材で行った成田・ワシントン間も直行便で13時間。ホントに日本は「極東」です)
で、サンクトペテルブルクは、モスクワからさらに北上したバルト海に面しており、その目と鼻の先はフィンランド。北欧なんて、日本人にはロシア以上に想像もつかない世界ですがな……。つまり、エルミタージュ美術館がある世界最北の100万都市・サンクトペテルブルクは、距離的にも心理的にも、日本からはものすごく遠いところにあったのでした。
そんな遠い街の文化、歴史、人々の気質とはいかに? 次回より、正味5日間という短い期間ではありましたが、私が体験した「サンクトペテルブルクな日々」をお伝えします。ぜひお楽しみにしてくだい。
それでは、本日はこのへんで。
ダ スヴィダーニャ(さようなら)!
アートライター。現在「婦人公論」「マリソル」「Men’s JOKER」などでアート情報を執筆。アートムック、展覧会音声ガイドの執筆も多数。